an alley cat
―朝。


昨日のモヤモヤが残ったまま、次の日を迎えた私。





今日は何だか冬真くんと会いたくない・・・。

―いえ、決して拒絶してる訳じゃない。

なんか顔を合わせずらい。




どうしよう・・・。


迷った挙句、「今日は顔を合わせないことにしよう」という事に。




今日は川に沿ってずっと歩いてみよう。




「お父さん、ありがとーっ!行ってきまぁす!」


ふと聞こえた甲高い声。


昨日雨宿りしたバス停で、クラウンから降りる1人の女の子が目に留まる。

―あ、昨日の・・・。



「あーっ昨日の猫ちゃん!」

「朝実、大声出すんじゃない・・・はしたないぞ」


そう言って、車の窓から顔を出したのは・・・・“私を捨てた”、あのおじさん。


「黒猫・・・」



おじさんは私を見て目を細めると、腕時計をチラッと見て、車を発進させて行ってしまった。




「ねー何で逃げたの昨日?あたし結構ショックだったよ?」


朝実と呼ばれる女の子は、私の前にしゃがんだ。


「おいでっ」

でも足が動かない。

「おーい?」



「ねぇ?」

だんだんと低くなる声。

「・・・はぁ~、何この猫?男子ばっかりに媚売ってんじゃないわよ」

スクッと立ち上がった朝実ちゃんは、上から見下ろすように言う。


―背中に悪寒が走った。


私は一歩も動けなかった。


「可愛くない猫!だからウチの地域で嫌われんのよ、黒猫は!」


―ガッ!「ギャンッ!」



体に走った衝撃。





朝実ちゃんに、蹴られたんだ・・・そう思った瞬間、私の意識は途絶えた。


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