an alley cat
―3-C




1つの教室の前で先生が足を止める。

どうやらここが、私が生活する教室らしい。



「はい、席着けー転校生紹介すんぞー」



「はー!?この時期に転校生!?」

「まじかよー男?女?」

「女子だ」

「うぉーっ馬路かよ!?」

「ちょっと男子うるさい、少し黙ってなよ!」


「はい、男子黙れー黒田、こっち来い」




私は恥ずかしそうに俯きながら、教室に入る。


「顔っ、顔が見えん!」

「名前はー?」


「お前等ぁ~!ちょっとは静かに出来んのか~?今から書くって!うるさいなぁ・・・」

先生はぶつぶつと文句を言いながら、黒板に白いチョークで私の名前を綴った。





―黒田 埜乃



「先生!名前が読めませんっ」

「苗字は読めるー」


「おま・・・、お前等高3だろ!?え!?高3だよな!?間違ってないよな!?」

先生は呆れたように笑って、


「くろだ、の・の!くろだののさんですっ」


と言い切った。



「のの!」

「埜って“の”って読むんか!」

「ちょー可愛くない!?名前!」



私の名前を聞き、口々に言うみなさん。


「うっさいお前等ぁ!今から黒田さんに一言言ってもらいますっ!黒田、一言」


急に振られても・・・。

「えっ?え、あの、よろしくお願いします・・・」




少し声が裏返ったけど、まぁ良しとしよう。



でも、一斉に笑うみなさん・・・。


「緊張しすぎ!」

「やべーかわいいな!」

「もっと気楽でいーぜぇ」

「あんたは単なる“馬鹿”で“うるさい”だけでしょ?」

「あぁ!?誰の事言ってやがる!」

「ぎゃははは」






私もつられて笑ってしまった。






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