an alley cat
「へぇ、職員室探してたの、で?迷子になっちゃったわけか」





私がなぜあそこに立っていたのかを説明すると、冬真くんは笑いながら頷いた。



「うん・・・友達が待ってるから、早く帰りたいんだけど」


「職員室連れてってやるから来いよ」


冬真くんは背を向けて歩き出す。


「う、うん」


私は冬真くんの後を追い、夕日に染まった廊下を後にした。











「ここ」


冬真くんがドアを開ける。


「誰先生?」

冬真くんは、私の顔を覗き込み尋ねる。


「えと、山川先・・・」

「山川ティーチャーッ!黒田が用あるんだってー!」


私が言い終わらぬうちに、大声で先生を呼ぶ冬真くん。




「あ?あー!悪い悪い、ちょっと待っててくれ」


先生はこちらに気付くと、見ていたノートを閉じ、私たちの所へ歩いてきた。



「お前さぁ、いつも思うんだけど、大声で!しかもちょっとタメ口っぽいのやめない?」


山川先生は冬真くんの顔を見るなり、渋い顔をして言う。


「えー?いいじゃん別に!」

「ったく・・・何がいいんだこの馬鹿、しかも“ティーチャー”ってなんだよ」

「うるっせぇなぁ・・・英語の先生なら分かるだろー?“先生”って意味だけど?」

「お前・・・大人をからかってそんなに面白いか!?」

「大体先生はさぁ・・・、」





―?


何か言い争いが始まったけど、大丈夫なのだろうか。




私は止めに止められないまま、ただその場に突っ立っていた。




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