空色デイズ


『私も冬海先生のことなんか全然信じてなかったよ!』


加藤風介に好意を抱いていたある少女は、私たちに取り入りたくてありとあらゆる薄っぺらい言葉をまくし立てていた。


『サイテーだよねあいつ!藤野さんに酷いことしてさ!』


原田輝一に好意を抱いていたある少女も、私たちを通して原田輝一に近づきたくて、ありとあらゆる言葉であの男を罵っていた。



勘違いも甚だしい。


藤野あみ空は、別にあの男に対して嫌悪感を抱いてほしかったわけでも悪態を吐いてほしかったわけでも同情してほしかったわけでも同調してほしかったわけでもない。


藤野あみ空も鈴木季都々も、そして私、荒島ことりも、そんな友達ごっこに興じるつもりはなかったのだ。
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