空色デイズ


「否定、しないの……?」


なのに、どうして同情も同調もせず、嫌悪も悪態も吐かず、媚びを売るでもへつらうでもなく、目の前の少女は、明日木、明日早は、どうして、あの日あの時のありのままの藤野あみ空を見ててくれたのだろう。



「友達なのに否定も肯定もないよ」
「……っ」



なんて、殺し文句。


今日、明日木明日早がこの場に来たのだって、崎山市太郎に近付くためだとわかってなお、私は彼女を否定できないでいる。


こんな赤の他人一人の言葉が、こんなに嬉しいなんて。
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