私こそ光る☆君~グランプリ編~
『みんな、今日は本当にありがとう!!』
ライブ終了後、次の現場へと向かう車の中でのこと。
「そんなに気にしなくてもいいよ~、楽しかったし☆」
「これは貸しにしておくよ」
「……別にいい」
「フッ、俺様にかかればこんなの朝飯前だ。
ありがたく思えよ」
由依はやっぱり優しいね。
紫水、何その怪しげな発言は?
怖いんだけど……。
清龍ならそう言ってくれると思ってた。
遥は……どうでもいいや。
でも今日は遥様々だったね。
ちょっと、ううん、かなりカッコ良かったよ?
『でも、みんな今日はいつものモデルの仕事があったんじゃなかったけ?』
そっちの仕事を無理言って抜け出してきたなら、悪いことしちゃったよね……?
急に心配になって尋ねた私に、由依が指を2本立てた右手をこちらに向けて――いわゆるVサインを出してニカッと笑った。