私こそ光る☆君~グランプリ編~
“曖昧なままにしておけない”って、いったい何を?
そんな疑問が頭をよぎったけれど、答えなんて私は求めていなかった。
幸せな日常が壊れてしまうくらいなら、知らなくてもいい。
願いを叶えるため、俯く。
しかし、何も問いかけなくても紫水は答えを口にした。
「さっきの告白。
あれは紛れもない僕らの本音。
僕ら全員、君のことが好きなんだよ?」
それは答えであって、答えではない。
そのことがひどく私を動揺させた。
「だからといって、今すぐ誰か一人を選んで付き合ってほしいとは言ってないよ?
ただ……」
ああ、ダメだ。
紫水の言葉が耳をすり抜けていく……。
次々と打ち明けられた想いに、眩暈すら覚えた。
紫水の声が室内に響き渡る中、そのまま私は一人、フラフラと楽屋を後にした。
「奏!?」
私の名を呼ぶ誰かの声が、深い闇にとけた。