私こそ光る☆君~グランプリ編~
「で?
何も言わず急に転校したかと思えば、長い間連絡ひとつ寄越さなかった人間が、いきなり人のこと電話で呼びつける理由って何?
自称、私の親友さん?」
ううっ……。
やっぱり怒ってる、めちゃくちゃ怒ってるよ~!!
場所は変わって、私の部屋。
時刻は午後10時。
『ごめん!!
連絡しなきゃって心のどこかではずっと思ってたはずなのに、自分でも不思議なんだけど、毎日忙しくて、でも楽しかったから忘れちゃってて……』
必死に目の前の親友・木之本由梨亜に赦(ゆる)しを乞う。
「ふ~ん、忘れてたんだ?
薄情者」
そう切り返す由梨亜の声には温度がない。
『うあっ、えっと、その……。
う~っ、だからごめんなさい~!!
何度でも謝るから、見捨てないで!!
嫌いにならないで!!』
“薄情者”
そう言われて、言い訳や説得なんて放り出して、本気で泣き出してしまった。
怒った由梨亜は怖い。
でも、由梨亜に嫌われるのはもっと怖い。