私こそ光る☆君~グランプリ編~
そんな怪人にも観客にも由依は目もくれず、クルリとこちらを振り返り、手を差し出した。


「ヒカちゃん、一緒に歌うよ?☆」


真っ直ぐ見つめてくる綺麗な目に、吸い寄せられるように手を握った。


私とそう変わらない体格なのに、手を引いて起こしてくれる腕は予想外に力強くて、一度だけドキッと胸が高鳴った。


いつもはその可愛らしさに隠れて見えなかったけど、やっぱり由依も男の子なんだ……。


『Spicy Marmalade』のイントロを耳にしながら、少しだけ頬を赤らめる。

そしてすぐに考えを振り払うように、頭を左右に振った。


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