Iの漂流戦士
┗追憶、瞑想
【殿町 オフィスビル通り】
正義と別れた一馬はいつものビルに帰る途中だった
正義に言った事は勿論、一馬の独断であって修やナノハに許可はとってない
だけど、後悔などしてない
例え、みんなが離ればなれになってしまったとしても
大切な人達の苦しむ顔はもう見たくなかった
そんな事を思っていると、暗闇の中に人の気配を感じた
若者がたくさん居る駅前と違ってオフィスビル通りは人の姿がない
だけど、確かに誰かが居る
見た目はただの子供だけど、一馬は殺人鬼03
五感は普通の人間より優れていた
『もう出てきたらどうですか?』
一馬は足を止めて、その人物に問いかける
『言いたい事があるなら直接聞きますよ。あなたもその方がいいでしょ?』
一馬にはそれが誰なのか分かっているみたいだ
その言葉を聞いた人物はビルの隙間から姿を現した
その表情はまさに怒り
スタスタと一馬の前に立つと、いきなりその胸ぐらを掴んだ
『どうゆうつもりだ?』
今にも殴りかかってきそうな雰囲気なのに一馬の態度は冷静だった
まるで予想していたかのように
『盗み聞きとは悪趣味ですね。功さん』
その人物とは高木功だった