愛をちょーだい!
「ヒーロミ先生っ!おっはよー」
「!─オイコラ!朝っから抱き着いてくんじゃねー!つーか、教師に抱き着くな!」
あたしの朝の日課。大好きな人に後ろから思いっきり抱き着くこと。今日も無事達成です!
「だって校則にそんな規範ないもーん」
「ぐだぐだ言ってねーで、離れろ!久瀬!」
「やぁだ」
あたしが抱き着いた彼は、神楽弘巳(かぐらひろみ)26歳。あたし、久瀬美乃里(くぜみのり)18歳の担任の先生であり、スパルタ数学教師。
そして、あたしが会いたくて会いたくて仕方がなかった初恋の人でもある。
そう、彼はあの時あたしを助けてくれた運命の、──あたしの初恋の人。
その彼との再会は、今から数ヶ月前まで遡る。