ヴァンパイア・コンップレックス
「こっ…これは…別に…」

あぁ~もう最悪。
もっとましな言い訳でもできればっ。



「お前…
血吸ってたのか?
つまり・・・
吸血鬼なの?」


その瞬間空気が凍った。
ただ私が焦ったせいだけじゃない。

例外くんのほうから
あり得ないくらいの
警戒心のオーラが流れてきた。


やっぱりバンパイアって
受け入れられないんだ。


落ち込んだ顔をみて
肯定と捉えたのだろう。


「ふぅん。
てことは楢崎は
催眠術にかかってるわけね。
で?俺もあやつられちゃうわけ?
吸血鬼さん。」

例外君は
さっきの警戒心とは打って変わって
挑発するような言い方をしてきた。



「吸血鬼って言わないでよ。
私は鬼ぢゃない。
バンパイア。
それに…
なんかあんたには
催眠がきかないみたい。
だけどいつか
きっと忘れさせてやるんだからっ!!
だからっ…
だからそれまでは黙っててください。」

情けないことに、
バンパイアともあろうものが
たかが高校生に
頼みこむことしかできなかった。
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