ヴァンパイア・コンップレックス
「…いいよ。」

しばらくの沈黙のあと
例外くんは返事をした。


「えっ?」

さっきの警戒心や態度からも、
絶対断られるだろうと
覚悟していただけに
拍子抜けした。


「だから、
わかったっつってんの。
俺も事情しらないで、
男好きみたいな言い方しちまったし。」

そう言うと
彼はたち上がって、
階段に続くドアを開けた。


「東雲。東雲皇紀」


「へ?」

突然飛び出した名前に
戸惑う私。


「俺の名前。じゃぁな。」


それだけ言うと彼は…
東雲くんは帰っていった。

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