ヴァンパイア・コンップレックス
「日差しかぁ。
私もあんまり得意じゃないけどね。」

そういって
日が降り注ぐ窓の外に目をやった。

「だろうね。
でもこれも修行と思って頑張んなよ。」

相変わらず厳しいこと言いますね、
雅さん。

「さて、突破口も見つかったし、
今日は授業終わったら
クレープでも食べてかえろっ。
情報料として、慧夢のおごりで。」



・・・致しかたない。


今月のお小遣いのやりくりに
頭を抱えていると、
いつの間にか5時間目が終わっていた。

いいのいいの。
数学だったんだし。
訳のわかんない三角関数よりも
役に立つお小遣いの計算のほうが
数学として価値があるよ。
うん。


「何ぶつぶつ言ってんの?
はやくいこっ。」

どうやら口に出てたらしい。
雅はツッコミながら、
ずんずん私をクレープ屋に
引っ張っていった。
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