あのころ、グラフィティ
奥から『いってらっしゃい』の声。

あたしとマコちんは外にでた。


「はい、マコちん。」


さっきのりんごを渡す。


「今日のデザート。食べてね!」

「...デザート...またお店の取ってきたの?...まぁ、もらっておくけど...僕、りんご好きなんだ。ありがとう。」


あ、前と一緒だ。

やっぱマコちんだ。よかった。



「あ!マコちん!これ行こうよ!」


掲示板に貼られている神社の祭りポスターを指差した。


「なにそれ。」

「壱岐根(イキネ)神社の2デイズ祭り!一日目は神社にお店が出るの。二日間は花火!...毎年、父ちゃん母ちゃんとだったから、、今年は一緒に行けるね!」

「いや、僕はいいよ。」

「えー。行こーうよー!あたし、マコちんと一緒にいーきーたいぃ~。...あんね、花火を一番きれいに見れる、あたしたちだけの秘密基地があんの。昔、マコちんと行ったんだよ。そこで見よ!」

「...花火、だけなら。」

「やっほーい!!マコちんとデート。明後日はデート!グフフフ...お店も行くんだからね。」

「え?花火だけって言ったじゃん。」

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