あのころ、グラフィティ
急に目の前に現れたのは、顔も性格も悪い福の彼女。


ペロペロキャンディーを舐めるのじゃなく、噛んでいるその顔は、非常に怖かった。


「さっきは体育館にいたよ。その後は知らない...」


「またふっくんのことイジメたんじゃねーだろうな。」

あ、逆なんすけど...


オレの2倍ある身体は、オレを逃がしてはくれない。
廊下の真ん中にたってるため、通り抜けられないのだ。


「イジメてないし、」

「ふーん、......ねえ、...いい男じゃん、あんた。...あたしは興味ないけど。」


寒気がして鳥肌がたった。

この子は自分を高く評価しすぎる。鏡を見たことないのか、、



太りすぎて、はちきれそうなんだよ。
ワイシャツのボタン...


「どこ見てんだよ、変態。ふっくんにちくるぞ!」

「...興味ねーし、脂肪見てたんだし、」

「は!?何言ってんの?」

「あ、いや...なんでもない、です。」

「ふーん。まっ、いいけど。...」


ペロペロキャンディーの食べ終わった棒をオレに渡して、福の彼女は体育館に入っていった。


お願いだから話しかけないでほしいよ。



さ、一難去ったし、教室に戻ろうか。

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