あのころ、グラフィティ
帰りに、同じ生徒会の屋久島 秋(ヤクシマアキ)さんに呼び止められた。


頭がよくて、清楚でキレイな子。


「途中まで一緒に帰ってもいいかな?」

「あ、うん...」






「き、肝試し楽しみだね。」

「そ、そうだね...」


2人で話すのは初めてだった。


「...あのね、肝試しのパートナーって誰と組んでもいいんだって。恋人同士でも男同士でも女同士でも......陣内くんは、パートナー決まってるの?」

「あ、いや...」

「...あ、そっか陣内くん、モテるし...選ぶ子なんていっぱいいるよね!......でももし、...当日組む人誰もいなかったら一緒に組んでもらってもいいかな?」


少し照れたみたいで顔をそらした。

それがオレにはすごく可愛らしくて、うなづいてしまった。


「ほんと!?ありがと!...正直ダメかとおもった...あ、こっちの話し!...それじゃ企画、頑張ろうね!」


そう言って、オレと逆の道に戻って行った。


今までの人とは違って、なんか嬉しい気持ちになった。


なんか、いい感じだ。


もしかして、これを恋とゆうのだろうか...
もしそうだとしたら、彼女のこと好きになるかもしれない。





家に帰ると、福が父さんが握った寿司を食っていた。


「おかえりなさい。あんたも食う?」

と、オレを見つけた母さんが言う。

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