あのころ、グラフィティ
「陣内くん、一人なの?」
「あたしと組もうよ。」
「陣内くんはあたしと組むの。」

4、5人の壁がオレの前に立ちふさがる。

屋久島さんがこっちを見て、オレを気にしてる。


「あの、、ごめ...」


オレの声は、彼女たちには届かない。
そしてオレの目の前にヤツが来る。


「ちょっと!」


そう、あの福の彼女、、里沙だ。


「陣内貫!あんた責任とれよ。ふっくん、お化け役にしたの、あんたっしょ!おかげであたしの相手いないの。」

「何言ってんの!?里沙と組むわけないじゃん。」


周りの女子が、里沙に文句を言う。


「あんたがあたしと一緒に組めばいいんだよ!」

そんな言葉を無視し、里沙は俺に向かって言ってきた。

「いや、それは...」

「あたしをひとりにさせる気!?...早く行くよ!」


ヤツに腕を引っ張られた。
かなりの力だ。
オレがふりほどけない。



...今日、オレはヤツに喰われる。


そう思ったとき、


「こら、デブ離しなさい!」

このセリフは、たまちゃん。


「はぁ!?ひどくないっすか!?」

「全っ然!あんたは、あのデブ軍団と一緒に行けばいいだろうが!」


たまちゃんだけだ、ヤツにこんな言葉を言えるのは。

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