CAPTORS
希螺が言葉をなくす。

今自分は何か面白いことを言ったのだろうか……

「あの……?」

笑うことをやめない男に控えめに声をかけてみる。

「あぁ、わりぃな。……そういや、自己紹介をしていなかったな。俺は彩十、レイスの直接の上司だ。よろしくな」

火のついた煙草を左手に持ち替えて右手を差し出す男ー彩十。

「さいとさん?たいちょーの上司?」

流されるままに彩十の手を握る希螺。

彩十が言った言葉の意味を把握できていない。

「こう言えばわかるか?俺も力が使えるぜ?」

彩十がにっと口元に笑みを浮かべる。

少しの沈黙が部屋を支配する。

「……え」

能力者が幹部?

希螺が目を丸くする。

「力って言っても地味だぜ?自分の思い描いたイメージを相手に伝える。それだけだからな。ま、他の奴らにも教えてねぇし、知ってる奴はごく僅かだ」

「テレパシー?」

「そんな大層なモンじゃねぇな。ん~……やって見せた方が早ぇか」

そう言うと彩十はおもむろに立ち上がり、希螺の横に座り直す。

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