CAPTORS
再度すまないと謝罪をしながらその紙にざっと目を通し、厳しい表情で少年の方を見やる。

「……これは、本当なのか?」

「室長に提出する報告書に、嘘書く勇気はオレにはありません」

きっぱりと少年が言い切ると、レフィは黙り込んでしまった。

「ちなみに聞くが、彼の力、どんなものか判るか?」

「……あのな、判るわけねぇだろ。今聞いて、今驚いてんだからよ」

「だよな~」

少年が、ははっと笑う。
レフィがジト目で少年を軽くにらんでから、ため息をついたその時だった。

ガラスの向こう側にいる希螺の指が微かに動いたように、レフィには見えた。

バンっと激しい音をたててガラスに手をつくレフィ。

「っ、驚かせるなよ……って、おい!レフラーナ?」

突然の音に驚いた少年の言葉はレフィには届いていなかった。
< 32 / 133 >

この作品をシェア

pagetop