CAPTORS
抱きしめられた希螺の顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。
そしてどうしていいのかわからないのか、あたふたと辺りを見回す。

「レフィ、あんまり年頃の男を誘惑するような行動はしない方がいいんじゃないか?」

春日がくすくすと笑いながら助け船を出すと、我に返ったレフィがゆっくりと希螺からはなれた。

「……わりぃ。つい嬉しくてな」

「……いや、オレもちょっと嬉しかったし……」

お互いが照れたように頬を赤く染めている。
その傍らでは春日が小さく肩をすくめてみせる。

「改めて自己紹介だな。俺はレフラーナ・ウィル・インディス。炎蛇……火の力を使うことができる。よろしくな」

再び華やかに笑ったレフィが希螺の手をしっかりと握った。

「あの時は、もう一人いたよな?」

現場にいたはずのもう一人の人物のことを思いだし、希螺が訊ねかけるとレフィが一つ頷いた。

「今は所用で出ているからな俺が先に紹介しておこう。あいつは矢那。藤乃森矢那だ。力は風。かまいたちと呼ばれている」
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