CAPTORS
「それ何だ?」

春日が興味深そうに腕輪を見つめる。

「これはオレの力をほぼ完全に封じてくれる不思議アイテムだ」

「便利なものだな。それ、キラにしか効かないのか?」

さらに興味が引かれたのか、春日が体を乗り出してくる。

その問いかけに、希螺は少しの間考え込むと、分からないと返した。

「今までオレ以外の能力者なんて会ったこともないからさぁ……効くかもしれないし、効かないかもしれない」

「ふーん。ちょっと借りてもいいか?」

「ああ」

二つ返事で頷いた希螺が腕輪を春日に手渡す。

しばらくその腕輪を観察するように色々な角度から眺め、硬度などを確かめるかのように指でたたいてみたりする。

「あ。それ腕にはめないと効果がないから」

思い出したように付け加えた希螺の言葉に従って春日が腕輪を手にはめる。

「……うわ」

そしてその効き目を直に感じたのだろう、腕輪をはめた自分の腕をまじまじと見つめる。
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