CAPTORS
「たいちょー?」

眉をひそめる希螺。

あまり日常的には聞きなれない言葉である。

「そう。一応俺たちにも責任者という者が存在してるからな。それが隊長のレイスだ。そのうち自分から会いに来るさ」

希螺の言葉に頷きながらレフィがそう言った。

「……ふつう俺が会いに行かなきゃいけないんじゃないのか?」

隊長といえばエライ人のはずである。それなのにそのエライ人がわざわざ時間を割いてまで自分に会いくるものなのだろうか?

「気にするな。時間はたっぷりあるだろうし。ただでさえお前は体力的にもかなり消耗しているだろうしな。動けるやつがうごきゃいい」

笑顔を浮かべ、きっぱりと言い切るレフィに希螺は苦笑を浮かべる事しかできなかった。

不意に部屋の中に静かな時間が訪れる。

レフィと矢那はなにやら話があるらしく希螺のいる部屋の隣へと姿を消していた。

一人になって、改めて実感する。



自分は独りになったのだ……

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