CAPTORS
何だ?と問い返す。

「もう体力的には退院OKにはなったんだろ?」

いきなりの話の変わりように一瞬考え込んでしまうが、反射的に頷いていた。

「なら色々と話していた方がいいと思ってな。一度には無理だと思うから……まずは、学校のことだな」

「あ、そういえば、オレが前に行ってた学校の制服が全く見あたらないんだけど、たいちょー知らない?」

ふと思い出して訊ねかけてみると、レイスも同じように何かを思い出したかのような顔をする。

「お前が着ていたやつは元種の体液が全く落ちなくて、悪いと思ったんだが、処分させてもらったんだ。言わないままになっていた。すまない」

「いや、ない理由あるんならかまわないし」

あまり長い間着なかった制服だったため、少しもったいない気がするが着ることが不可能になってしまったのならしょうがない。

軽く首を振ってレイスに告げ、話の続きを促す。
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