CAPTORS
なぜか自分がしどろもどろで言葉を紡ぐと、そうだったなという春日の声が返ってくる。

「忘れてたのかよ……」

「すまない。何故かキラは前からここにいたような気がしていた」

「なんだそりゃ」

さらりとそう言った春日に、苦笑を浮かべながら希螺がその隣にならぶとなにも言わずに春日が歩みを進める。

廊下を歩きながら、春日は簡単に施設の紹介をしてくれていた。

この施設は大きなビルのようなもので、各フロアごとに部署が分かれているという。

大まかには討伐・研究・情報・開発などがあげられる。それらもさらに小さなチームに分けられている。

「CAPTORSもか?」

説明をなんとか頭に入れようと奮闘している希螺が、自分の立場が気になったのか春日へ訊ねかけた。

「俺たちも事実上は討伐部だな」

「能力者じゃなきゃ元種は倒せねぇんじゃなかったか?」

「……それをほかの討伐部の奴の前で言うなよ。倒さなくても、退けたり、生体採取という重要な任務だってあるからな」
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