CAPTORS
たどり着いたエレベーターに乗って春日が行き先のボタンを押す。

「かなり上の方の階なんだな」

「大体10階から上は居住フロアだ。なんだ、もしかして高いとこが嫌いなのか？」

クスリと笑う声が聞こえて、希螺は慌てて首を振る。

今まで生きてきた中で、こんな高い建物に住んだことないからだと説明するが、はいはいと軽く流される。

釈然としないものを感じつつも、歩く足は止めない。

前を歩く春日に付いていくしかないとわかっているので、どこかやりきれなくなる。

ふと、春日の足が止まる。辺りを見回すのをやめ、そちらをよく見てみると一つの部屋の前で見覚えのある人物たちがひらひらと手を振っていた。

「レフィと矢那だ。久しぶりだな！」

二人の方へ駆け寄ると、笑顔で迎えてくれた。

「すっかり元気みたいだな」

レフィがくしゃくしゃと希螺の頭をかき回す。

「隊長が部屋に行ったって教えてくれたから、来ちゃった」

ほんわりとした笑顔を浮かべ、矢那が春日へそう告げる。
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