CAPTORS
それまで何とかギリギリのラインを保っていた希螺の平衡感覚もさすがに悲鳴を上げた。

それにより、学校の午前の時間が過ぎた今でも希螺は机に突っ伏したままだった。

新しくクラスメイトとなったまだ名前もほとんど知らない友人たちが、なんどか気遣うような声をかけてくる。

しかし、それに満足に答えられたかどうかは定かではなかったりする。

「まだ具合悪いのか?」

机に額を押し付けてぐったりとしていると、知った声がふってくる。

「……誰のせいだと思ってんだよ」

ぼそりと毒づいてみるが、思ったほど声に迫力はのらなかった。どちらかと言えば、情けないようにも聞こえる。

「悪かった」

内心でため息をついていると、小さな謝罪の言葉が紡がれ反射的に顔を上げた。

すると、机の隣に立っていた春日と目があった。

「いつもは一人だからあまり気にしたことがなかったんだ。君を不快にさせてしまった……悪かった」

「……気分が悪いのはホントだけど、もう気にしてねーよ」
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