CAPTORS
意外な反応だったのだろう。春日が一歩後ろへ退いた。

「食堂があるのがそんなに珍しいか?」

「珍しいっつの!オレの憧れるものの一つだ」

先程の気分悪さもどこかに行ってしまうくらいの事実である。

いや、気分など悪くなっている場合では無い。

「……行くか?」

「おう!」

笑顔になって立ち上がる希螺。

頭の中は食堂のことでいっぱいだった。

だから気付かなかった。周りの奇妙な視線に。その視線が希螺だけでなく、春日にも向けられていることに……


食堂に着いた二人は、適当なメニューを注文すると、空いている席を探し辺りを見渡す。

「キラ、春日。遅かったじゃねぇか」

二人を呼ぶ声に後ろを振り返ると、そこには席に座ったままひらひらと手を振るレティとサンドイッチをくわえたまま笑顔を浮かべている矢那の姿があった。

「二人が食堂にいるの、珍しいね」

二人の隣に座りながら、春日がそう言った。
希螺も一緒に椅子へと腰かけながら、そうなのか?と矢那の方を見る。

「だって、今日は絶対二人は食堂にくると思ったから~」

サンドイッチを飲み込みながら、矢那がにっこりと笑う。

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