CAPTORS
驚きは恐怖へと変わり、それが衝動的な行動へとつながることを春日は身を以て知っていた。

「殴ってた奴の中にナイフを持っていた奴がいて……一瞬のことだったから気が付いたときにはそのナイフが……」

「いいよ」

淡々と話していた春日の言葉を希螺が遮る。

自分から聞いておいてなんだが、先の話は大体予想が付いた。そしてそれを話すことがつらいことだと言うことも。

「……それから先のことは曖昧だけど、力が暴走したのは間違いなくて校舎全体がこの有様。俺と対峙していた奴らも加害者からあっという間に被害者だ。何が起こったかなんて誰も解らないけれど、俺は知ってる」

「……けど……それってさ、いわゆる防衛本能ってやつだろ?」

希螺が小さく呟き、近場にあった机へと手を伸ばす。

そして、手のひらから生み出した白い光で、それをすっぽりと覆ってしまう。

しばらくして、机は元の姿を取り戻した。

顔を上げると、こちらをじっと見つめている春日と目があった。
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