王龍
「…ま、なんにせよ、元気でよかったわ。アソパソマソがお前のヒーローやったら………」


まだ、そのネタひきずるんかい


「和志のヒーローはお前や、凪瑠」


「ほぇ?な、なんで?」


「体はって和志を守ったんやんか。なぁ?和志」


「…おぅ」


「…そっかぁ………。うちのヒーローは愛と勇気だけが友達やけど、和くんのヒーローはめっちゃ、仲間がおんねんなぁ」


「………仲間と友達はちゃうやろ」


「…そこは気にしない方向で」


ガラッ


「なーちゃんっ!」


「ぐぇっ」


急に入ってきた奴に、いきなり抱きつかれたおかげて、変な声出たんやけど…


まぁ、入ってきた奴は顔見らんでもわかる


「………なんで来たん?高峰さん」


いきなり声が低くなった凪瑠に、由愛だけでなく、和くんたちも、冷や汗をながす


「…だって………心配、やったし………」


「…うち、一言も心配してほしいとか言ってへんけど?」


「…でもっ」


「目障りやねん」


「……………っ」


ほら、また泣き出す


うちとおったらただ泣くだけやで?


いい加減わかれや………


「………また、来る………」


そう言って弱々しく病室を出ていった高峰さん


「…姫」


「…何?」


「…………気付いてるんやったらいい」


「………っ」





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