フェンス
『裕!聞こえる?ホワイトフェンスのセキュリティーが全域解除されてるわ!きっと綾紀さんね。』
少し嬉しそうに母さんがそう告げる。
俺もそれを春斗に告げる。
春斗は少し微笑んだ後、話をもとに戻した。
『セキュリティーが切れたのはいいが…エレベーターを張られてるのがイタいな…どうやって上に行けばいいんだ。』
カチ…カチ…カチ…カチ…
時計の針がゆれる。
そろそろ凉が本部についてしまう。
いや―…もう着いてしまっているかもしれない。