空恋色
第三章~素直になれなくて
圭太side

早く君の声が聞きたい、君を見たい、抱きしめたい・・。
臆病で素直になれない俺を許してくれ空・・

放課後、鈴木杏奈って奴に「屋上に来て」と言われた。
鈴木は学校1のモテ女らしい・・

もちろん断った。「行く理由がないから」
でも、あの女が「佐伯さんも呼ぶつもり、これの意味分かるよね?」


俺を脅してるつもりか・・?
でも屋上には行ってみた。空に会いたかったから・・

ガチャ――

「あのー佐伯ですけど・・」


風に吹かれる空の長い髪。
前見たときよりももっと伸びていた。

黒目の目立つ大きな瞳、長いまつ毛、綺麗な肌。
君のすべてが愛おしくて抱きしめてしまいたい。


目があった君は真っすぐに俺を見た。

見ないでくれ・・俺は君を傷つけることしかできない。
涙を流している時その涙を拭くこともできない。


俺が空を避けている理由はそんな大したものじゃない。


   





ただ・・素直になれないんだ・・




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