なんでも屋 神…第二幕
「俺がこのクラブを出そうと決心したのは、熱心な日向さんの誘いがあったからなんだ。俺の才能を、新しい箱で思う存分発揮してみないかってな…。」



夢見る奏…医者とイベンターの狭間で揺れていた奏…野心をその内に秘めていた奏…その心を擽るには十分すぎる囁きだ。



「で?その日向ってのは何をしてる奴なんだ?出資出来るくらいだから、何か商売でもやってるのか?」



深く肺まで煙を吸い込み、一糸のように細い煙を吐き出した奏は、その首を大きく左右に振る。



「俺も何をしている人かは分からないし、聞いてもお茶を濁される。それに俺は日向さんを信じているしな…。」



一番厄介なのは、奏の日向に対する絶大な信頼感かもしれないな…まぁ、今はそれを口に出す必要は無いけど。
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