なんでも屋 神…第二幕
「だから?例えそうで有ったとしても、こうして店を構えている以上、マコに話す事は何も無い。」



今度は本当に拗ねた顔付きになり、手持ち無沙汰なのか、目の前に置かれたカップに手を伸ばすマコ。



「もう見出しまで考えてたのよ。[若者達の間で蔓延するクラブドラッグの裏]…どうしてくれんのよ!」



どうしてくれんのよって言われてもな…俺も依頼者である奏を守らなければならないし、何より守秘義務をおざなりには出来ない。



困り顔は一葉も一緒…どうして良いか分からずに、さっきからたじろぐように挙動不審な態度。



太股を揺らす携帯のバイブに気付き、鼻腔にコーヒーの匂いを送りながらディスプレイに視線を落とす。



表示されている名前は黒沢一樹…兄ぃだ。
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