なんでも屋 神…第二幕
「失礼します。ほら、神座れ。」



兄ぃの脇に敷かれた膨らみ豊かな座布団。



俺は横に来ていた縫い目を、テーブルと向かい合うように直してから着席した。



そんな俺が行った一連の動作を、興味深げな瞳で見つめる神堂と、凛とした黒目を丸くして見てくる女性。



「失礼します。」



満足そうな表情を浮かべた神堂に対し、隣の女性は驚きを隠しきれないように神堂の顔を伺っていた。



それから何を語る訳でも無く、俺の瞳の先と、神堂の瞳の先は、黒御影石のテーブル上で交わったままだった。



…何か見定めていられるような感じで、気分は良くない。
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