なんでも屋 神…第二幕
「飲むか?」



進められた熱燗を断り、デニムから取り出したタバコを口の先で一本取り出し、穂先に火を付ける。



「さっきも言った通り、代替わりの噂はガセだ。俺の襲名披露は未だ先だろうし、今の俺に組を支える力も無い。親父にはこれからも組を支えて貰わにゃならん。」



ノリの驚愕の表情が、この話しが如何にトップシークレットだったのかを物語っていた。



[神堂組]、いや、神堂と兄ぃの筋書きが薄々読めてきた。



「本当の狙いは、後に控える俺の襲名披露時に、間違い無く現れるであろう反乱分子の除去。」



ダイヤモンドよりも堅い、杯と言う名で繋がれたヤクザの上下関係。如何に神堂の力が絶大と言っても、兄ぃに代が変われば、一時はソフトシェルのように柔くなるだろう。



其処を狙わぬ輩が居ないとは限らない。
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