なんでも屋 神…第二幕
寧ろ、神堂の力が絶大なら絶大な程、代替わりの時には多大なる影響を及ぼし、[神堂組]全体が揺らいでしまうかも知れない。



「で?餌に掛かった組は有ったの?」



目の前に置かれた冷えた熱燗を一気に飲み干し、舌の上に残る後味と溜め息を混ぜて吐き出す兄ぃ。



此処で動く組は即ち、兄ぃにしてみれば喧嘩を売られているようなもの…命知らずな組も有るものだ。



俺なら、間違い無くそんな真似はしない。



「一つだけ有った。[神堂組]第一次団体の[狼我會](ろうがかい)だ。」



[狼我會]…[神堂組]の太い屋台骨を支える組の一つ。シノギの手段は俺の知る所じゃないが、この街に住む者なら、[神堂組]と[狼我會]の繋がりを知らぬ者は居ないだろう。
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