なんでも屋 神…第二幕
「そう決めつけるのは早計かと。俺もノリも、犯人の顔すら瞳の端に留めてもいない。」



今此処で[狼我會]だと俺が決めつけたなら、逸る気持ちを抑えきれない兄ぃの子飼い達を先頭に、[神堂組]本家が走るだろう。



忘れてはいけない…[神堂組]の歴史を紐解き遡れば、武闘派の言葉に行き着く。



そして、その先陣を切っていたのは、眼前に居る神堂龍造に他ならない…。



「そうか…では今はどうする事も出来んな。だが、この黒沢の子飼い達を纏める者が必要だ。そこで、黒沢と五分の兄弟で有る、神にそれを頼みたいんじゃが。」



一瞬静まり返るが、直ぐまた響めきが巻き起こり、子飼い達を代表して赤城がその口火を切る。



「ちょっと待って下さい。俺達は黒沢の兄貴の子飼いです。兄貴に死ねと言われれば喜んで死にますが、其処に居る神に言われても、俺達は到底命を張れません。」
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