なんでも屋 神…第二幕
赤城の発言は、非の打ち所の見つからない至極真っ当な意見だが、それも一般社会ではの話し…。



「お前達は、黒沢の親である儂の意見は聞けんのか?それに神なら、黒沢と比べても貫目は引けを取るものでも無いじゃろう?未だ他に何か言いたい事は有るか?」



神堂に此処まで言われては、意見など口に出来る筈が無い。



それに神堂の言う通り、俺と兄ぃは五分の兄弟…赤城やノリ等は舎弟としての杯を交わしているのだ。



ノリですら俺と二人なら軽口を叩きもするが、兄ぃと一緒ならその口すら開かない。だからと言って、それを傘に使うつもりも無いが。



この子飼い達も、兄ぃの身辺警護や私利私欲の為に結成されたのでは無く、全ては[神堂組]の勢力拡大を目的に、秘密裏の内に裏仕事を遂行する為に作られたのだ。




それは元を辿っていけば、[神堂組]の長である神堂の為…逆らえる筈が無い。



「分かりました。この件が終わるまでは、[神堂組]の客分として振る舞います。ですが、俺は[なんでも屋]を兼任していますので、其処をご理解して頂きたいと思います。」
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