なんでも屋 神…第二幕
頼りない肩で大きく呼吸し、珍しく白衣を着て谷口の爺が出て来たのは、それから五分後の事だった。
「弾が貫通していたのが不幸中の幸いじゃったの…後は彼奴の生命力次第じゃ。」
この爺、法外な値段を請求するが、古ぼけた小さな医院には勿体ないような医療設備を整えてある。でなければ、信用を失い闇医者はやってられない。
一様に安堵の声を漏らす待合室内で、神堂の合図を待っていたが如く、萩が爺の前まで歩いて行き、持っていた風呂敷の包みを開いた。
「二千万有る。マンションを用意出来次第、黒沢の兄貴を此処から連れ出す。谷口さんにはそれに付いて来て貰いたい…その金もこの中に含まれてある。」
兄ぃに組の経営全てを任せているとは言え、神堂龍造は冷静でいて迅速且つ的確…。
俺に子飼いを任せたのは、恐らく俺に対する興味心からだろう。
「弾が貫通していたのが不幸中の幸いじゃったの…後は彼奴の生命力次第じゃ。」
この爺、法外な値段を請求するが、古ぼけた小さな医院には勿体ないような医療設備を整えてある。でなければ、信用を失い闇医者はやってられない。
一様に安堵の声を漏らす待合室内で、神堂の合図を待っていたが如く、萩が爺の前まで歩いて行き、持っていた風呂敷の包みを開いた。
「二千万有る。マンションを用意出来次第、黒沢の兄貴を此処から連れ出す。谷口さんにはそれに付いて来て貰いたい…その金もこの中に含まれてある。」
兄ぃに組の経営全てを任せているとは言え、神堂龍造は冷静でいて迅速且つ的確…。
俺に子飼いを任せたのは、恐らく俺に対する興味心からだろう。