なんでも屋 神…第二幕
「儂もこの街の裏で生きる者…神堂さんには逆らえん。」



それから赤城を含む子飼い達や、神堂と事細かな打ち合わせを済まし、ノリと共に[谷口医院]を後にした。



外はもう東の空が白み始め、電線の上では小鳥が朝の調べを奏で、鴉や野良犬は朝飯を探しに彷徨いている中、ノリが運転する兄ぃのベンツで事務所に向かう。



長い、ただひたすら長い一日も終わろうとしていたが、俺の依頼は始まったばかり…休む暇など天は与えてくれないのだろうか…。



「神、これからどうするんだ?」



眠さを誤魔化すように語りかけてきたノリは、密かに兄ぃの敵を討つと決心したように、神妙な顔付きでハンドルを握っている。
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