なんでも屋 神…第二幕
「不安にさせてごめんな一葉。」



軽く一葉の頭に手を乗せ、覗き込むように一葉と視線を水平に合わせると、目尻の雫が街灯に反射して一等星の如く光を見せる。



「神君は悪くないよ…私が、私が自分に自信を持てないから、ちょっとした事で不安になるの…ごめんね。」



一葉を優しく抱き締めると、お互い何度もごめんと呟いた。



どちらも悪くないのに、お互い慰めるように何度も…何度も。



二人供暫くそのままだったが、涙を止めた一葉が帰ると言うので、家まで語らいながらゆっくり送っていった。



一葉を送って帰ってくると、玄関のドアに手を掛けた瞬間、頭上では雲間を縫うように一筋の流れ星が、その身を燃やしながら瞬いた…。
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