なんでも屋 神…第二幕
次の日の朝、普段通り出掛ける為に服を着替えていると、無機質なテレビから嫌なニュースが耳を掠める。



…クラブドラッグの勢力は、この街のメインから飛び出し、隣接する近隣の県にまでその力を広げていた。



それだけじゃなく、ピックアップされた映像には、これから俺が向かおうとしているメインの、恐らく昨夜であろう映像が映し出されている。



赤白い煙を吐きながら、至る所に発煙筒がばらまかれ、夜空に向かって時期としては未だ早い、花火が弧を描いて打ち上げられていた。



コメントを録ろうとした男性リポーターは、瞳孔の開ききったギャング崩れに打ちのめされ、その被害は取材陣にまで及んだようで、最終的にはカメラが地面に転がった所で映像は途切れた。



…昨日より明らかに様変わりしたメインの姿に、自分の目を疑い声を無くした。



…最早、一刻の猶予すら無い所まで来ているのかもしれない。
< 208 / 344 >

この作品をシェア

pagetop