なんでも屋 神…第二幕
第二章
あの後、一葉を家まで送り届け、ベットで一人寝した俺が目覚めたのは朝の八時過ぎ。



何時も通り目覚めにシャワーを浴び、部屋で事務所に出向く為に着替える。



最近は着替える時に流れている、朝のワイドショーに耳を傾けるようになった。現代の社会事情を頭の片隅に叩き込む為だ。



「…〜少年二人が強盗を働いた現場からは以上です。続きまして、少女が部屋で変死していた事件ですが〜…。」



角張った表情をした四十代前半と思われる、男性アナウンサーの無機質な声を遮り、着替えの終わった俺はテレビを消して家を出た。



空からは春の陽光が優しく降り注ぎ、コンクリートの裂け目からは新しい春の息吹が薄緑の芽を出している。
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