なんでも屋 神…第二幕
「陸運局へ行って、申請用紙に登録ナンバーを書き込んでくれ。申請理由は、当て逃げされたとでも書けば良い。最後に申請者欄へ名前と住所を書けば、身分証の提示は必要無い。」



その後事務員に渡せば、パソコンが自動的に処理をしてくれ、混んでいなければ五分で終わるだろう。役所仕事など、そんな物だ。



因みに、戸籍や住民票の場合も然ほど変化点は無い。



ノリには、デリカのナンバーを告げて電話を切った。



その間に到着していた風牙等に、倒れている二人と一葉を任せ、俺は秀太が運転するスティードに跨る。



周囲から見れば、肩にナイフの刺さった男は異様に見えるだろうが、今が夜で助かった。



道路も混まないだろうし、谷口の所迄は直ぐ着くだろう。



…今日の内に俺が陸運局に出向いていれば、この襲撃は防げたはず。



この傷も己への報いと感じ、湿気を含んだ梅雨前の夜風に身を任せた…。
< 258 / 344 >

この作品をシェア

pagetop