なんでも屋 神…第二幕
「良し、もう大丈夫じゃろ。」



[神堂組]の事務所からほど近い場所に聳える、二十階建ての高層マンション。



その一室で処置の終えた俺は、何も無いリビングに置かれたベットに視線を移した。



「あれじゃ儂の出番など無いよ。あの日から寝ずに張り付いておる。まぁ、過労で倒れたら儂の出番かの。」



兄ぃの容態が回復するまで、禁酒を命じられた谷口は、持て余した時間を饒舌によって鬱憤を晴らしていた。



「爺、歳にも顔にも似合わない口を尖らせるのは止めろ。気持ち悪いぞ。」



微笑を張り付かせて発した言葉に、爺の張り手が傷口に響く。



くそっ…医者としての腕が無かったひっぱたいてやってるのに…。
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