なんでも屋 神…第二幕

俺の治療費は赤城から萩へと伝わり、萩から神堂の耳に入って、神堂のポケットマネーで支払われる事に成っていた。



二十畳は有るかというリビングに、三畳分の畳だけが窓際に敷かれ、その上にキングサイズのベットが置かれている。



勿論、眠っているのは兄ぃだが、その傍らには黒髪が美しい女性が片時も離れずに座っていた。




「初めましてでは無いですが、この間は挨拶する時間が無かったもので、改めましてになりますが、神って言います。」



あれから数日が経っているが、看病疲れなど微塵も感じさせず、観世音菩薩のよう大慈大悲を込めて女性は振り返った。



「美嘉です。噂はこの人から耳に胼胝（たこ）が出来るまで聞いてますよ。パパが無理な頼み事をしてしまってごめんなさいね。」