なんでも屋 神…第二幕
事務所の手前で待ち合わせた、赤城を含んだ昨日の子飼い三人を従え、内情を知っている萩に形だけのボディチェックを受ける。



「付いてこい。」



両脇に並ぶ組員等からは、恫喝的な視線と威圧的な態度が、入場時の拍手代わりに降り注ぐ。



だが、流石は兄ぃの子飼い達。そんな事は全く意に介せず、黙ったまま俺の後ろを付いてくる。



名目上は取引の話しをする事に成っているので、その圧力も自分等を上に立たせるという意味なのだろう。



通された会議室のような造りの部屋。三十人は座れるで有ろう、独立した黒革の背凭れの長いチェア。



円上に並んだテーブルの中で、一際大きい最奥のチェアが神堂の席だと把握した。
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