なんでも屋 神…第二幕
その脇には黒檀の重厚なサイドボードキャビネットが、その雰囲気を出し惜しむ事無く佇み、中には世界各国から集められた、封の切られていない酒が並んでいる。



深く沈むハイバックチェアに凭れると、壁にはドラクロワの絵が飾られ、さながら一流企業の応接室のよう。



「親父がお着きになりました。」



そう言いながら萩が平板な口調で入ってくると、軍隊並の統率で子飼い達が一斉にその腰を上げた。



「待たせたな神よ。まぁ、皆も座ってくれ。」



全員が座ったのを確認すると、神堂は萩に顎の先端をしゃくり、何かの合図を送ると話し始めた。
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