なんでも屋 神…第二幕
神堂の言葉を最後に、降り積もっていた響めきはピタリと止み、真冬の朝のように耳がキンと痛む…。



「情報元が何処とは言えませんが、兄ぃを弾いたのは[狼我會]です。だが、確実な証拠はもう飛んでいるか殺されているでしょう。」



あのヒットマンの行方は、もう息をしていようがしていまいが探しようが無い。



全ては奥底の見えない闇へと葬り去られる…。



「ならば、別の手段で潰すしか手は無い。金城は跡目を継いでから、芸能プロダクションを拠点として新種のドラッグカクテル…クラブドラッグの製造密売をしています。」



漸く合点のいったように、皆が一様に頷く。



ヤクザ社会はピラミッド型に成っていて、下の組織はシノギの大小によって上納金の金額が決まる。



ようは[狼我會]が[神堂組]に納めるはずの上納金を誤魔化していたとして、金城を手玉に取ると言う訳だ。
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